診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫は集団で茎内を食いつくす。終齢幼虫の体長は20〜23mm。背面のすじ状の縦縞線が特徴。縦縞線が無いのはイネヨトウ
発生は1963年以降少ないが局地的に目立つことがある。第1世代幼虫は若稲の葉鞘から食入し茎内を集団で食いつくすので、食入部が折れて葉が水面に浮く流れ葉、また茎心に食い込んだ場合は心葉が黄化する心枯れが発生する。第2世代幼虫の被害は出穂5〜10日前から現れ、出すくみ穂や白穂になる。ひどい時は株元から倒伏する。
幼虫がわらや刈り株、マコモの茎内で越冬する。成虫は普通年2回発生。第1回の発生は4月下旬から7月まで続く。雌成虫は交尾後1〜2日から産卵し平均約300粒、およそ数十~100粒ずつの卵塊としてイネやマコモ等の葉裏に産卵する。幼虫は6齢経過。成虫寿命は約7日。第2回成虫の発生時は西日本では8〜9月、関東・東山では8月中旬、北日本では8月上中旬である。近縁のサンカメイチュウは南西諸島を除き発生確認は難しい。
耕種的には珪酸質肥料の施肥や耐虫性品種を採用する。窒素過多を避ける。
育苗箱施用剤にはアレス(ブエノUN)、グランドオンコル(オーベスト)、スタークル(アルバリン)、スピノエース(ゼロカウント)、ダントツ、ディアナ、パダン、パディート、フェルテラ、プリンス、ヨーバル、リディア。
側条施用剤(肥料農薬)にはパダン、育苗箱への灌注剤にはミネクトスターがある。
直播種子処理剤にはヨーバルがある。
本田散布剤にはエルサン、スタークル(アルバリン)、スミチオン、ディアナ、ダントツ、トレボン、パダン、ランナー、ルーバン、ロムダン等。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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