病害虫・雑草の情報基地

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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

イネゾウムシ

Echinocnemus squameus
鞘翅目イネゾウムシ科

写真をクリックすると拡大します

イネゾウムシ
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被害葉。展葉前の食害が後でこのような穴になる

イネゾウムシ
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被害株。葉の先端が折れている

イネゾウムシ
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成虫。体長約5mm

イネゾウムシ
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イネミズゾウムシ(上)とイネゾウムシ(下)の比較


被害

虫が本田初期に葉鞘部に穴をあけ、心葉を食害する。展葉後に被害葉の先端が折れると有効穂数や粒数が減る。山間部の水田や冷水灌がい田、日かげの水田に多い。被害は南西諸島では3月、北日本では6月に発生する。籾が食害されると穿孔米になることがある。

生態

全国に分布する。年1回発生。西日本では幼虫、北日本では成虫越冬が多い。5月中旬~6月中旬に稲株付近の土中で蛹化し、約2週間の蛹期を経て成虫になる。成虫は温暖な日中に活動し水面を歩く。寿命は約1か月で水田では8月上旬まで発生する。晩秋に再生株を捕虫網ですくいとると成虫が捕獲できる。体はイネミズゾウムシより大きい。

防除

多発時には薬剤防除が必要となる。

薬剤(農薬)

育苗箱施用剤にはアドバンテージ(ガゼット)、パダンがある。本田散布剤にはエルサン、シクロサール、トレボンがある。イネミズゾウムシを対象に薬剤防除した水田では発生数が少ない。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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