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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

イネミズゾウムシ

Lissorhoptrus oryzophilus
鞘翅目イネゾウムシ科

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イネミズゾウムシ
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成虫による葉の食害痕

イネミズゾウムシ
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成虫。体長約3mm

イネミズゾウムシ
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幼虫による被害田。株絶えとなる場合もある

イネミズゾウムシ
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根を加害する幼虫( 老齢で体長約8mm) と土マユ。幼虫は無脚で、第2〜7腹環節の背に気門が変化した突起が6対ある

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土マユの中で蛹になる


被害

移植後、成虫が水田に侵入し葉を食害する。畦畔沿いに多い。食害が多いと生育が遅れ分げつが減り、減収や株絶えとなる。幼虫による被害は成虫より大きく、根部の食害により株絶えとなる場合がある。低湿田や活着不良田で被害が大きい。

生態

全国に分布、年1回発生、関東以西で一部2回。越冬後成虫は4月にネザサ、チガヤ等の新葉を食う。水田内で成虫はよく泳ぎ飛翔力に富むが、日中は根際に隠れ夕方活動する。5月下旬が発生盛期。国内では雌だけの単為生殖である。産卵は水中のイネ葉鞘内に行われ、約40日間に1雌平均約130粒を産む。卵期は約7日、幼虫期は約1か月、蛹期は1〜2週間。新成虫は7月中旬から発生し8月上旬まで続く。同下旬には畦畔や土手の枯草、林縁落葉下に潜る。

防除

移植は成虫の発生盛期(5月中下旬)を避ける。深水を避け根を健全にする。地域によっては6月上旬までに成虫0.5頭以上/株が要防除水準とされている。

薬剤(農薬)

育苗箱施用剤にはアクタラ、アドバンテージ(ガゼット)、アドマイヤー、アレス(ブエノUN)、オンコル(オーベスト、グランドオンコル)、シバント、スタークル(アトラクトン、アルバリン)、スピノエース(ゼロカウント)、ダントツ、パダン、パディート(バズ、フォルテンザ)、バリアード、フェルテラ、プリンス、ヨーバル、リディア、ルーチン、ルーバン等、ほかの病害虫に有効な剤を含む混合剤も多数ある。
育苗箱に灌注する剤にはアドマイヤー、スピノエース、ダントツ、ヘッド、ミネクトスター(バズ)等がある。
移植時の側条施用剤にはアドマイヤー、パダン。
直播水稲の種もみに塗沫処理にはキラップシード、ダントツ、ヨーバルがある。
湛水直播水稲のは種同時施薬機を用いて土中施用する剤にはアドマイヤー、ダントツ、フェルテラ、デジタルミネクト、パディート、フェルテラ、ワンリード等を含む剤がある。
湛水直播水稲の種もみ播種前処理にはアドマイヤーがある。
本田侵入期にはアドマイヤー、シクロサール、スタークル(アルバリン)、トレボン、BPMC(エルサンバッサ、スミバッサなど)、MR.ジョーカー等。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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