診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
5〜7月まで成・幼虫が葉表から食害し、葉脈に沿って白いかすり状痕を残す。多発すると水田一面が真っ白になり茎数や穂数が減少する。
全国に分布するが、被害は冷涼地に多い。年1世代。成虫は山間地の日だまりや畦畔、川池沼周辺のイネ科植物の内部や根際土内で越冬する。5月中旬にマコモやイネに飛来・産卵するが、冬〜春に温暖だと成虫の出現は早い。産卵は葉表に7月中旬まで続き、晴天時に多く曇雨天時は少ない。ふ化幼虫は長雨特に夜間に雨が降ると生育良好で被害は多い。幼虫は背に泥状に見える糞を背負うので「イネドロオイムシ」という。昆虫名は「イネクビボソハムシ」である。
育苗箱施用剤にはアクタラ、アドバンテージ(ガゼット)、アドマイヤー、アレス、オンコル(オーベスト、グランドオンコル)、カウント、キラップ、シバント、スタークル(アルバリン)、スピノエース(ゼロカウント)、ダントツ、パダン、パディート、バリアード、フェルテラ、プリンス、ヨーバル、リディア、ルーバン等。ほかの病害虫に有効な剤を含む混合剤が多数ある。
育苗箱灌注剤にはアドマイヤー、スピノエース(サービスエース、ノーカウント)、キラップ、ミネクトスター、バズなどの剤がある。
移植時側条施用剤にはアドマイヤー、ダントツ、パダン、フェルテラを含む剤。
湛水直播水稲の播種時同時施用剤にはダントツがある。
直播種子処理剤にはヨーバルがある。
本田散布剤にはエルサン、キラップ、シクロサール、スタークル(アトラクトン、アルバリン)、スミチオン、ダントツ、トレボン、パダン、ベストガード、MR.ジョーカー、ルーバン等。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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