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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ツマグロヨコバイ

Nephotettix cincticeps
半翅目ヨコバイ科

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止葉や穂にすす病が発生

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稔実不良になる

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雄成虫( 上) は翅端が黒色、雌は全体緑色。全体緑色の雄もいる。翅端まで雄約4.5mm。雌約5.5mm

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出穂期に多発する場合もある


被害

茎葉の吸汁害により黄変や株絶えとなるほか、東日本や北日本では止葉や穂にすす病が発生し稔実不良になる。萎縮病黄萎病、矮化病も媒介する。萎縮病は移植後に発生し次第に増加するが、出穂期以降は少ない。

生態

イネ科植物やレンゲ等で幼虫越冬。4月下旬から越冬世代成虫、6月下旬〜10月上旬に第1〜4世代が発生し、とくに8〜9月の高温で第3世代が多発する。成虫は葉鞘内に数〜十数粒の卵塊を産む。1雌産卵数は約100粒、卵期は約10日間、ふ化幼虫は約3週間で成虫になり、成虫寿命は約2週間。寄主植物はイネのほかヨシ(アシ)、スズメノテッポウ、イヌビエ等多種にわたる。暖冬少雨条件は越冬に有利であり、また7月下旬〜8月上旬の高温で9月に多発する。風通しの悪い山沿い等に多発する。

防除

耐虫性品種には彩のかがやき等。春先の一斉防除が有効。出穂期の成・幼虫30頭/株が防除の目安となる。

薬剤(農薬)

育苗箱施用剤にはアクタラ、アドマイヤー、アレス、オンコル(オーベスト、グランドオンコル)、ガゼット(アドバンテージ)、スタークル(アルバリン)、ゼクサロン、ダントツ、チェス、パダン、パディート、バリアード、フェルテラ、リディア等。ほかの病害虫に有効な剤を含む混合剤が多数ある。
湛水直播の種もみ処理剤にアドマイヤーがある。
育苗箱への灌注処理剤には)ミネクトスター、アドマイヤー、ガードナー等がある。
本田散布剤にはアドマイヤー、アプロード、エクシード、エミリア、エルサン、オーケストラ、スタークル(アルバリン)、スミチオン、ダントツ、チェス、トレボン、パダン、バッサ、ベストガード、マラソン、MR.ジョーカー等。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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