被害

苗では、幼芽が湾曲し淡褐色〜褐色となり腐敗・枯死するが、生き残った苗では葉鞘は淡褐〜褐変し心葉がねじれながら抽出する。その後、葉鞘が褐変・腐敗し心葉基部が腐敗して抜けやすくなるか葉の基部が退色して白変枯死する。育苗箱ではパッチ状の発生が多い。穂では、籾の基部が灰白色〜蒼白色となり全体が淡紅色を帯びた黄褐色となる。病徴は籾だけに限られる。罹病した玄米に帯状の褐色条斑が生じる。重症穂では不稔籾が多く直立して傾穂せず、圃場では重症株を中心に坪状発生する。

発生

前年度の罹病種子が第一次伝染源であり、浸種や催芽、出芽時の温度が高いほど発病が激しく、加温育苗などで育苗期間中に高温に遭遇した場合に発病が助長される。穂では、無病徴感染した苗で生存、増殖した病原細菌が出穂期前後に穂に感染することで発病する。

防除

採種圃産種子などの健全種子を利用し、塩水選と薬剤防除を徹底するとともに、高温下での育苗管理を避け給水にも注意する。本田では降雨の多い時期に出穂しない品種の利用や薬剤防除を徹底する。

薬剤（農薬）

種子消毒は、化学農薬のエコフィット、シードラック、スターナ、テクリードC、モミガードC、ヨネポンおよびそれを含む混合剤。また、エコホープやタフブロック、モミホープ等の生物農薬も有効である。
育苗箱で防除を行う場合は、Dr.オリゼ、エコフィット、カスミン、ゴウケツ、ブーンのほか、アプライやブイゲットなどチアジニルを含む混合剤、スタウトやルーチンなどイソチアニルを含む混合剤の育苗箱施用、あるいはフタバロンAの覆土混和が有効である。
本田散布ではスターナのほか、白葉枯病やごま葉枯病との同時防除としてオリゼメート、いもち病との同時防除としてカスラブサイド（粉剤3DL）、コラトップ、ゴウケツ、サンプラス、ブラシン、ブラステクト（フロアブル）が有効である。

※掲載している薬剤（農薬）は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。

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■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC：外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
（国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳：外部サイト）

・殺虫剤（IRAC）2022年6月版（ver.10.3）　*PDFデータ

・殺菌剤（FRAC）2022年6月版　*PDFデータ

・除草剤（HRAC）2020年3月現在　*Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。