診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
育苗箱で発生し、激しい場合は幼芽の生育が停止し、心葉が抽出しないまま枯死する。腐敗せずに残った苗は生育が劣り、葉鞘の伸びが不均一で全体が湾曲する。病勢進展が遅い場合は葉鞘や葉身に暗褐色水浸状の条斑が現れる。もみ枯細菌病菌による苗腐敗症では腐敗した葉鞘は暗褐色となるが本病では黄褐色となる。また、苗がゆるやかに湾曲し、葉鞘や葉身に暗褐色水浸状の条斑が現れるのは本病のみである。
本病の第一次伝染源は、前年度の罹病種子である。このため、浸種中の感染や育苗箱内での罹病籾(苗)からの二次感染で発病する。本病は、浸種温度や催芽温度、出芽温度が高いほど発病が激しく、加温育苗など育苗期間中の温度が高いと発病が助長される。
採種圃産種子などの健全種子を利用し、塩水選と薬剤防除を徹底するとともに、高温下での育苗管理を避け給水にも注意する。
種子消毒剤は、化学農薬のエコフィット、シードラック、テクリードC、ヘルシードT、ベンレートT、モミガードC、ヨネポンやスターナおよびそれを含む混合剤。また、エコホープやタフブロック等の生物農薬も有効である。
育苗箱で防除を行う場合は、カスミンの育苗箱施用やフタバロンA の覆土混和が有効である。
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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