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稲の病害虫と雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

いもち病(1) 苗いもち

Pyricularia grisea (oryzae)

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いもち病(1) 苗いもち
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葉鞘基部の病斑

いもち病(1) 苗いもち
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苗いもち発病苗(左)と健全苗(右)

いもち病(1) 苗いもち
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育苗箱で発生した葉いもち病斑


被害

種子消毒が不十分な罹病籾を播種すると発生する。鞘葉が暗灰色から褐色となり、その後、第1、2 本葉に葉いもち病斑を生じ、激しい場合は立枯れとなる。育苗箱では坪状の発生となり、その中央部分は陥没し、典型的な立枯れ症状を示す。立枯れを免れた発病苗を本田に移植すると、葉いもち早期多発の原因となる。

発生

前年に穂いもちが多発した圃場から採種し、種子消毒が不完全な場合で覆土が浅く籾が露出しているような場合に発病しやすい。育苗箱内で見かけ上健全な苗であっても、保菌苗は葉いもちの第一次伝染源となりやすい。

防除

採種圃産種子など健全な種子を用い、自家採種は行わない。必ず塩水選を行った後、種子消毒を実施する。温湯浸漬による防除を実施する場合は、指導機関の指導を受け、浸漬温度、浸漬時間を厳守する。

薬剤(農薬)

種子消毒剤は、シードラック、スポルタック、テクリードC、トリフミン、ヘルシード、ヘルシードT、ベンレート、ベンレートT、ホーマイ、モミガードC、ヨネポン等のほか、生物農薬のエコホープ、タフブロック。
育苗箱で防除を行う場合は、カスミンやダコレートの播種時灌注またはルーチンの育苗箱施用、フタバロンAの覆土混和
種子消毒剤による防除法は、浸漬、吹付け、塗沫、湿粉衣処理など多様であるが、薬剤によって処理法、希釈濃度が異なるので注意する。

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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