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雑草イネ

Oryza sativa
イネ科

雑草イネは栽培稲と同じ植物であるが、収穫物への混入被害をもたらす。
発生地域は徐々に拡大している。とくに直播栽培水田で問題となっている場合が多い。

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雑草イネ
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出穂前の飼料用イネの中で成熟期に達した雑草イネ ©森田弘彦

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湛水直播水田での成熟期の雑草イネ(やや着色し、脱粒が見られる) ©森田弘彦

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雑草イネの穂(右2本。左2本は栽培イネ ©森田弘彦

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雑草イネの籾(上)と栽培イネの籾(下)©森田弘彦

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雑草イネの玄米(上)と栽培イネ(下)。いずれも収穫直前 ©森田弘彦

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雑草イネの玄米(上)と栽培イネ(下)。いずれも乾燥後 ©森田弘彦

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移植水田で残存・生育した漏生イネ(長稈のイネ) ©森田弘彦

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湛水直播水田での漏生イネ(前々年作付け品種と前年作付け品種が見える) ©森田弘彦

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湛水直播水田で条間に発生した漏生イネ ©森田弘彦

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過酸化カルシウム粉衣の作付けイネ(左)と漏生イネ(右) ©森田弘彦


被害

雑草イネがまん延すると収穫物に混ざって、米の等級を下げる。

生態

雑草イネは栽培稲と同じ植物種であり、わかりにくい。見分け方は以下のとおりである。
①出穂した穂のようすが違う(ふ先(籾の先端)に色が付く、芒があるなど)、②籾が脱粒しやすい、③籾、玄米が植えたイネと違う、④出穂期が違うイネがある、などである。
雑草イネは前年のこぼれ籾が代かき後移植イネとは別に発生する。移植イネとは生育が違い、うね間に発生が目立つ場合が多い。(漏生イネとして区別することもある)

防除

雑草イネが一度増えると徹底防除を3~4年続けなければならない場合がある。雑草イネのまん延を防ぐためには、早く発見し少ないうちに徹底して防除することが重要である。その場合、除草剤散布を含めた総合防除を行う。定期的に見回り、雑草イネは株ごと抜き取り、抜き取った株は田んぼの周りに放置しないことも重要である。
除草剤で防除する場合には、プレチラクロールなど酸アミド系の成分を含む除草剤などが有効である。雑草イネの発芽始めまでに散布することが重要である。徹底的に防除するには雑草イネに有効な除草剤を2~3回組み合わせて散布する必要がある。
雑草イネが発生した場合には、直播栽培を行わず、移植栽培を行い、除草剤や耕種的な防除方法を組み合わせて、徹底的に防除する。
雑草イネが生えている田んぼの機械作業は生えていない田んぼの作業を終えて最後にする。

収録:防除ハンドブック「 稲の病害虫と雑草

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