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花の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

アブラムシ類(1)


ヨコバイ(半翅)目アブラムシ科

新芽・枝に多く寄生し、弱々しい虫だが、環境適応性は高い。種によって異なるが、一般的な生活史は、春から秋にかけて雌が幼虫を直接産み密度が高くなると有翅虫が出現し分散する。晩秋に完全生活環(雄が出現する)を行って卵越冬する。アリとの共生関係からアリマキとも呼ばれる。

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アブラムシ類(1)
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ワタアブラムシ集団(体長約1〜2mm)

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ワタアブラムシ(キク)

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カモミール花弁の被害

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キク花弁の被害

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ワタアブラムシ(ラミウム)

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モモアカアブラムシ(体長1.8〜2.0mm、赤色、黄緑色の無翅虫)

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モモアカアブラムシ有翅虫

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モモアカアブラムシ(パンジー)

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モモアカアブラムシ(シラネリア)

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モモアカアブラムシ(カーネーション)

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ユキヤナギアブラムシ(体長約2.5mm、ビンカ・ミノール)


被害

茎や葉に口針を差し込み、汁液を吸収し、生育遅延や葉の萎縮等の被害をもたらす。また、排泄物や甘露の付着による汚れやすす病等間接的な被害もでる。さらに、ウイルス病の媒介者としても注意が必要である。

防除

防虫網、シルバーマルチ等で有翅虫の飛来を防止する。捕食性天敵としてクサカゲロウ類、ショクガタマバエ類、テントウムシ類、ヒラタアブ類等(天敵類の項参照)が見られるときは天敵に影響の少ない殺虫剤を選択した方がよい。また、アリが盛んに行き来をしているようならアブラムシの発生を疑う。

薬剤(農薬)

アクタラ、アドマイヤー、ウララ、オルトラン、コルト、ダントツ、チェス、マラソン、モスピラン、ロディー等(作物ごとに登録を確認して使用する)。同じ成分の殺虫剤を連用し続けないように注意する。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

ワタアブラムシ

Aphis gossypii

分布、寄主ともに幅広く世界共通的な害虫種。小型で、体色は黄、橙黄、緑、濃緑色、黒と変化がある。

被害作物

ユリ、アオイ、キク、カーネーション、ペチュニア、ヘデラ各種ラン、他多種。

発生

葉裏に寄生することが多く、コロニーは大きい。発生は初夏〜盛夏期に多くなる。盛夏期には5〜7日で成虫になる等繁殖能力が非常に高い。キュウリモザイクウイルス(CMV)を伝搬する。甘露や排泄物によるすす病の併発も多い。

モモアカアブラムシ

Myzus persicae

世界的に著名な農業害虫種。ワタアブラムシとともに多食性の代表。体色は名前の由来である赤色だけでなく緑色、黄緑色、赤褐色と変化がある。角状管、尾片は体色と同色。体表には光沢がある。

被害作物

アブラナ科各種植物、フリージア、キク、パンジー、アイリス、他多種。

発生

葉裏に多く寄生する。キュウリモザイクウイルス(CMV)、カブモザイクウイルス(TuMV)等を媒介し、ウリ科やアブラナ科等の作物や花卉類にモザイク病を引き起こし、生育不良を招く。春と秋の発生が多く、夏は少ない。多発すると排泄物にすす病が発生したり、脱皮殻で汚れが目立つ。

ユキヤナギアブラムシ(別名:ミカンミドリアブラムシ)

Aphis citricola

バラ科の果樹害虫として、また様々な花卉の害虫として知られる。中型のアブラムシ。体は卵形で、黄色から鮮明な緑色に黒色の角状管が目立つ。

被害作物

コスモス、ニチニチソウ、コデマリ、カンキツ、他多種。

発生

春先から発生が多く、新梢の茎、葉裏等に多数の群れ(コロニー)をつくる。夏はカンキツや各種草本植物に寄生し、ユキヤナギ、コデマリで卵越冬する。

収録:防除ハンドブック「 花の病害虫

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