診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
英名Thripsからスリップスとも呼ばれる。微小害虫として様々な農作物の重要害虫である。
成・幼虫が葉や花の表面組織から汁液を吸収することにより、変色、萎縮、奇形等の被害をもたらす。また、排泄物の付着による汚れや、ウイルス病の媒介者としても注意が必要である。
成虫が飛来してくるので防虫網や、紫外線カットフィルムで侵入を防ぎ発生を抑える。また、雑草や残花を処分し、発生源とならないようにする。
アクタラ、アファーム、コテツ、スピノエース、スミチオン、ダントツ、ディアナ、ベストガード、マッチ、モスピラン等、同じ成分の殺虫剤を連用し続けない。※掲載している薬剤(農薬)は
2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
1990年に日本で初確認された侵入害虫。雌は体長1.5mm、雄は1.1mm、体色は黄〜褐色。幼虫は黄白色〜黄色。
バラ、カーネーション、シクラメン等各種花卉類のほか、ナス科、キク科等各種野菜等にも発生する。
4月頃から活動をはじめ、1年に7〜10世代発生を繰り返す。施設では通年発生する。キクでは芽に寄生し吸汁するため、新葉にケロイド様の被害を生じる。また、各種花卉類の蕾に開花前から侵入加害するため、花弁に白斑等の吸汁被害が発生する。トマト黄化えそウイルスを媒介する。
雌の体長1.5mm、雄1.1mm、体色は淡褐色〜暗褐色。幼虫は黄白色。
ナス科、キク科等の各種花卉類。
4月頃から活動をはじめ、1年に10世代発生を繰り返す。各種の花に寄生し、脱色班等が発生する。トマト黄化えそウイルスを媒介する。
雄の体長は0.9mm、体色は淡黄色。幼虫は黄白色。
キク科
4〜6月に多く発生し、成・幼虫ともキクの葉と花を食害する。吸汁害により小白斑や奇形等の被害が発生する。
体色は全体に暗褐色、または腹部のみ黄色の個体もいる。幼虫は黄白色。暗褐色の排泄物により著しく汚れ、すす病を併発する。
ラン類、バラ、サンゴジュ、カキ、カンキツ、クロトン、シダ植物等多種。
熱帯〜亜熱帯に広く分布し、温帯各地特に園芸施設で被害が見られる。
成虫は黒地に灰白色の横縞が目立つ。若齢幼虫は白色で、成長すると黄橙色となる。4月下旬〜12月まで数世代を繰りかえす。
マリーゴールド。
日本には1993年静岡県で初確認された侵入害虫。成虫及び幼虫は葉に寄生し、吸汁加害する。カスリ症状が発生し、シルバリングも呈する。また、排泄物等によって著しく汚れる。花には寄生しない。9〜10月の多発時には、枯死に至ることもある。
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