診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
被害症状は、病原のウイルスと植物の組合せにより異なり、また、複数のウイルスが感染して症状が激しくなることも多い。品種間に症状の差がある。
グラジオラス:モザイク病 キュウリモザイクウイルス(CMV)他。茎葉に緑色濃淡のモザイク症状や白色の小斑が発生する。花弁には斑入りが現れる。生育が抑制され、奇形となることがある。
ガーベラ:えそ輪紋病 トマト黄化えそウイルス(TSWV)。葉が部分的に退色し、のちにはっきりした輪紋が多数現れる。やがて葉が枯れ、生育が不良となる。
シクラメン・トルコギキョウ:えそ斑紋病 インパチエンスえそ斑紋ウイルス(INSV)。葉に壊疽を生じ、花弁の着色や生育が不良となる。
花:ガーベラ、カンナ、グラジオラス、グロリオーサ、ケイトウ、シクラメン、ジニア、シンビジウム、センニチコウ、ダリア、チューリップ、トルコギキョウ、パンジー、フリージア等。花木:ジンチョウゲ等。
伝染方法はウイルスの種類により異なる。媒介する昆虫にはアザミウマ(INSV、TSWV他)、アブラムシ(CMV他)、コナジラミ等がある。球根や挿し木増殖では罹病親株から伝染することが多い。作業時にハサミ等に付着した汁液でも伝染する。高温期にはモザイク等の症状が不明瞭となる。
ウイルスを媒介する昆虫を薬剤防除や防虫網により侵入阻止する。罹病親株からの増殖はしない。
ウイルスに直接有効な実用的な薬剤はない。殺虫剤は登録を確認して使用する。※掲載している薬剤(農薬)は
2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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