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花の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

灰色かび病

Botrytis cinerea

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スターチス:地際付近で灰色のカビが増殖する

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スターチス:花梗が褐変し、垂れ下がる

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シネラリア:枯死部に粉状のカビが発生する

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シネラリア:葉に輪紋状の褐色斑点を形成する

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ニチニチソウ:罹病部から上部は萎凋、枯死する

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キンギョソウ:花弁が次々に腐敗する

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スミレ類:花弁やつぼみが腐敗する

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シクラメン:葉柄や花柄の基部が軟化腐敗し、灰色のカビが発生する

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シクラメン:花弁に紡錘状のシミが多数生じる

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プリムラ:花弁に斑点を生じ、花枯れを起こす

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トルコギキョウ:茎の地際部が罹病すると萎凋、枯死する

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バラ:花蕾の腐敗部に灰色、粉状のカビが発生する

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洋ラン類:葉基部が腐敗し、葉が黄化する

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ハナミズキ:葉腐れを起こす


被害

やや老化した花弁や傷んだ葉先等が腐敗する。のち病患部に淡灰褐色~灰色の粉状のカビ(胞子の集合)が豊富に発生する。花弁が葉に落下すると花弁から腐敗が広がる。茎の地際部や中間部が罹病すると上部は萎れ、やがて枯死する。花弁では小さなシミのような斑点が多数生じる。

被害作物

花:アスター、アルストロメリア、インパチエンス、ガーベラ、キンギョソウ、キンセンカ、シクラメン、シネラリア、シャクヤク、スターチス、ストック、スミレ類、ゼラニウム、トルコギキョウ、ニチニチソウ、バラ、フリージア、プリムラ、洋ラン類、リンドウ等。花木:アジサイ、ウメ、ハナミズキ等。

発生

病原菌はきわめて多くの植物に発生する。病原菌は枯死部や有機物上で生存している。20℃前後の多湿条件下で多発しやすい。施設栽培では秋と春先、露地では梅雨期にまん延する。分生子は風や灌水の飛沫とともに飛散し、感染する。

防除

施設では換気や暖房を調節し、湿度を下げる。花殻や枯れた葉等は早めに処分する。花壇では密植しない。鉢物は開花期には雨にあたるのを避ける。早めに薬剤を散布する。

薬剤(農薬)

シクラメン:トップジンM。ストック:ポリベリン。バラ・キク・カーネーション:ジマンダイセン。その他の花き類・観葉植物ではゲッター、サンヨール、セイビアー、フルピカ、ポリオキシンAL、ポリベリン等。樹木類ではゲッター、ポリベリン等。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 花の病害虫

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