診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
症状は果実にのみ現れる。葉や枝幹には特別な症状はみられない。発病が最も多いのは「甲州」で、収穫期の果実では、着色が不良で、糖度も健全なものより3~5度低く、食味も劣る。本病は、はじめ「甲州」で発見されたが、「甲斐路」、「巨峰」、「ピオーネ」などでも確認された。着色不良の程度は品種により異なり、「甲州」では健全樹と比較しやや黄色味を帯びる程度であるが、「甲斐路」や「ピオーネ」では着色不良となる。無毒化(ウイルスフリー)された苗木を植え付けることにより、現在、本病はほとんどみられなくなっている。
接木伝染するため、ウイルス病と考えられている。病原には2説が提唱されており、一つはリーフロール病とフレック病の複合感染説である。これは接木接種により味無果症状が再現されている。また、もう一つは、球状ウイルスが病原であるとする説であるが、これは症状の確認には至っていない。
いったん発病すると治療は困難であり、薬剤による防除はできない。感染樹は伐採し、無毒化(ウイルスフリー化)された苗木を植え付ける。
本病に登録のある薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC)2022年6月版(ver.10.3) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC)2022年6月版 *PDFデータ
・除草剤(HRAC)2020年3月現在 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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