診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
葉の症状は品種により大きく異なるが、最も典型的な症状を現すのは欧州系の黒色系品種である。盛夏を過ぎる頃から新梢基部の葉に赤色の斑点が現れる。その後斑点は拡大し、第1、第2主脈に沿って緑色の部分を帯状に残し、葉脈間が赤変する。葉は厚く、もろくなり、葉縁が葉裏にむかって巻く。症状は基部葉から次第に先端に進む。欧州系緑色種では葉の黄化、葉巻がみられ、米国系品種では、葉がわずかに黄白色になる程度である。果房では、糖度低下、熟期の遅延、着色不良、発育不良等がみられる。これらは、程度の多少はあるがどの品種にもあらわれ、激しい場合は樹勢が低下し、収量も減少する。
接木伝染するため、ウイルス病と考えられている。国内ではリーフロール病との関連が報告されているウイルスのうち、Glapevine leafroll -associated virus 3については、クワコナカイガラムシおよびフジコナカイガラムシによる伝搬が確認されている。
いったん発病すると治療は困難である。感染樹は伝染源となることから、すみやかに伐採し、無毒化(ウイルスフリー化)された苗木を植え付ける。感染拡大防止のため、媒介虫であるカイガラムシ類の防除を徹底する。
本病に対する登録薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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