診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
海外では古くから問題となっている病害であるが、国内の一般栽培農家における発生は知られていない。葉では、葉縁の切れ込みが深くなり奇形して歪む。その形が扇(Fan)に似ていることから、この病気の名前がつけられた。奇形や新葉の黄色と緑のモザイク、退緑斑点などの葉の症状は展葉初期から生育期間中にわたりみられる。このほか、病原ウイルスの系統により、新梢がジグザグ状になる、節間の短縮、1つの節から2本に枝分かれする等の症状や、果房の小型化や無核果の混入による果粒の大きさの不揃い、花ぶるいなどもみられ、果実品質が低下する。感染樹では、収量が大きく減少する。
病原ウイルスは接ぎ木伝染のほか、海外では土壌線虫(Xiphinema index)により媒介することが確認されているが、我が国での伝搬は確認されていない。
いったん発病すると治療は困難である。無毒化(ウイルスフリー化)された苗木を購入し植え付ける。
本病に対する登録薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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