診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
露地栽培での被害は一般に少なく、施設栽培での被害が問題となる。成幼虫が葉を吸汁することにより加害部位は黄褐色~赤褐色となる。被害が進むと葉全体が黄化する。葉の被害は葉裏から透かしてみるとわかりやすい。被害部位は赤みがかったスポットとなるのでルーペで確認する。ナミハダニが多発した場合は糸を吐きクモの巣状となる。施設栽培では着色期~収穫期ごろに発生しやすく、多発した場合は果粒肥大が劣る、着色が悪くなるなどの被害がおきる。また、シャインマスカットなどの緑色系品種では、収穫期の果粒も加害する。果粒表面の吸汁により、果面に多数の茶褐点が発生する。
下草や樹上で越冬した個体がブドウの生育とともに増殖する。露地栽培では梅雨明け以降密度が増加する。施設栽培では暖房機の周り、施設の出入り口などで発生しやすく、その後圃場全体に発生が拡大していく。卵~成虫までの発育期間は10日~2週間前後と短く、短期間で発生量が多くなる。
露地栽培で例年発生が見られる場合は、梅雨明け後に薬剤を散布する。施設では発生初期からの防除を徹底する。果粒が肥大した後では、汚染や果粉の溶脱により散布はできなくなる。この時期以降はくん煙剤や常温煙霧による防除を行う。
カネマイト、ダニサラバ、コロマイト(散布または常温煙霧)、テルスタージェット(くん煙剤)、ダニゲッター、
スターマイト、ダニコング、マイトコーネ※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)
・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ
・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ
・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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