診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
露地栽培では、8月中下旬以降葉に被害が発生する。晩生種では果房も加害され、被害部位から腐敗などの二次的な被害も生じやすい。 施設の加温栽培での被害は、施設内で越冬した個体が生育初期から新梢の葉に産卵し、ふ化した幼虫が集団で加害する。若齢幼虫は葉の表面をかじりとるように食害する。このため被害葉は透かしたような状態となる。
野菜、花卉、雑草など寄主範囲は広い。8月以降、これら植物で増殖した個体がブドウ園に飛来して産卵する。施設では雑草等で越冬し展葉とともにブドウに産卵する。卵は卵塊で産卵され、薄い茶色の毛でおおわれている。幼虫は頭部の少し下の両脇に黒色の斑紋がある。老齢幼虫は40mm程度に発育する。
薬剤散布は発生初期に重点を置く。また、若齢幼虫は集団でいるので寄生葉を取り除き適切に処分する。施設では展葉直後から発生に注意し、発生を認めたら薬剤散布を行う。施設ではフェロモン剤を用いた交信かく乱も効果が高い。施設内の除草をしっかりと行う。
フェニックス、ディアナ、デリゲート、コテツ、ヨトウコンH(交信かく乱剤)、エクシレル※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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