診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
感染した花からは分生子を含む黄色の蜜液を分泌する。子房は徐々に肥大し紫黒色の塊(菌核)となって穂から角状に突出する(その形状から麦角と呼ぶ)。菌核には人畜に有害な麦角アルカロイドが含まれている。このため、農産物規格規程で、麦角粒の混入率の上限が0.0%と規定されている。
麦角で越冬し、春に麦角が発芽して子実体と呼ばれる器官を形成する。子実体に形成された子のう胞子が開花期の麦の柱頭から侵入し子房に感染する。また、蜜液に混在する分生子によって他の穂へ二次伝染する。開花時期の多湿のときにまん延しやすい。菌核(麦角)はおよそ2年間生存できる。
無病種子を使用する。発生圃場では深耕しを行い、輪作を行う。宿主となるイネ科雑草を除去する。
登録農薬はない。
(小澤徹)
※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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