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ハンドブック ムギ類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ムギ類雪腐小粒菌核病(ゆきぐされこつぶきんかくびょう)

Typhula ishikariensis var.ishikariensis (雪腐黒色小粒菌核病)
Typhula incarnata (雪腐褐色小粒菌核病)
<病原>糸状菌 <発病>葉・茎

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ムギ類雪腐小粒菌核病(ゆきぐされこつぶきんかくびょう)
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雪腐黒色小粒菌核病 c小澤徹

ムギ類雪腐小粒菌核病(ゆきぐされこつぶきんかくびょう)
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雪腐褐色小粒菌核病 c相馬潤

ムギ類雪腐小粒菌核病(ゆきぐされこつぶきんかくびょう)
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地際の茎に形成された菌核 c相馬潤


被害

融雪直後の罹病茎葉はゆでたような水浸状暗緑色であるが、乾くと灰白色となり非常にもろくなる。被害茎葉には病原菌の菌核と呼ぶ肉眼でかろうじて見えるつぶつぶが認められる。それらは雪腐黒色小粒菌核病では直径1㎜程度の黒色、球状。雪腐褐色小粒菌核病では、褐色ないし、あめ色で不整形で前者よりやや大きい1.5~2㎜程度。

発生

雪腐黒色小粒菌核病は菌核から生じた菌糸による土壌伝染で感染する。一方、雪腐褐色小粒菌核病は、菌核から生じた子実体と呼ばれる器官に形成された胞子(担子胞子と呼ぶ)による空気伝染と菌核から生じた菌糸による土壌伝染の両方がある。いずれの菌種とも連作により多発する。積雪下で発病が進むため、積雪期間が長いと被害が大きくなる。また、播種が遅れ越冬体勢が不十分だとさらに被害が大きくなる。

防除

土壌中の菌核量を少なくするため輪作を行う。適期に播種し越冬体勢を確保する。融雪剤を施用し融雪を促進する。また、根雪前の茎葉散布が有効である。

薬剤(農薬)

シルバキュア、フロンサイドなど。

(小澤徹)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ムギの病害虫

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