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ハンドブック ムギ類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ムギ類裸黒穂病(はだかくろほびょう)

Ustilago nuda
<病原>糸状菌 <発病>穂

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ムギ類裸黒穂病(はだかくろほびょう)
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オオムギ裸黒穂病(出穂した穂が黒くなる) c渡邊健

ムギ類裸黒穂病(はだかくろほびょう)
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オオムギ裸黒穂病発生圃場 c渡邊健

ムギ類裸黒穂病(はだかくろほびょう)
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オオムギ裸黒穂病の病穂 c渡邊健

ムギ類裸黒穂病(はだかくろほびょう)
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コムギ裸黒穂病の病穂 c渡邊健


被害

オオムギおよびコムギに発生する。黒穂は健全穂よりわずかに早く出穂し、出穂時に薄皮が破れて黒い胞子(黒穂胞子と呼ぶ)の塊が出てくる。風雨で胞子は容易に飛散するため、最後には穂の中軸だけが残って裸状になる。一株の全茎が発病することが多いが、発病しない健全茎が混ざったり、穂の一部のみが発病することもある。

発生

本病は糸状菌の一種によって引き起こされる種子伝染病害である。罹病株の穂では、子実中に胞子がまん延して黒色の粉末を多量に生じる。開花期に風で胞子が飛散して周囲の花器に入り、発芽して幼果に侵入・感染する。開花期~受粉後3~4日ごろが最も花器が侵されやすく、空気中の湿度が高いと感染率が高まる。病原菌に感染した穂の子実は健全なものと同様に発育するが、次年度の罹病種子となる。他の黒穂病菌のように種子(子実)に付着していた胞子や土壌中に落下した胞子によって感染を起こすことはない。

防除

無病圃場から採種した種子を使用する。罹病株は、健全株よりやや早く出穂するので、健全株の開花より前に罹病株を抜き取って適正に処分し、胞子を飛ばさないようにする。播種前、登録農薬を用いて種子消毒を行う。

薬剤(農薬)

種子消毒剤としてトリフミン、ベンレートなど。

(渡邊健)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ムギの病害虫

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