診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。
幼虫が葉の上面を舐め取るように食害するため、葉には線状〜面的な跡が残る。食害部は枯死するため、被害葉はこの部分から乾燥して萎縮する。
コムギ、イネ科牧草。
全国に分布、年1回の発生で、幼虫は6月下旬~7月中旬の期間に加害する。幼虫は約1か月で成虫になり葉を食害する。その後草地に移り、越冬する。発生頻度は高くなく、山林に近接した圃場などで散発的に発生が見られる程度である。成虫は体長4.3~4.8㎜、卵は長径約1㎜の長卵形鮮黄色で光沢があり、葉の基部に卵塊として産付される。成熟幼虫は約5㎜、緑黒色の糞を背負うので、ムギドロオイムシと呼ばれる。蛹は白い繭の中にあり、黄色紡錘形で約4㎜。成虫、蛹、幼虫、卵の形状、サイズ等はイネドロオイムシ(イネクビボソハムシ)に似ている。
被害の発生自体が散発的であることや、発生しても収量に対する影響が懸念されるような多発の可能性が少ないので、防除の必要性は低い。
本種に対する登録薬剤はない。(岩崎暁生、平井一男)※掲載している薬剤(農薬)は
2022年1月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。
■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)
■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。
農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)
RACコード(農薬の作用機構分類)
※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。
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