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ハンドブック ムギ類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

オオムギ斑葉病(はんようびょう)

Pyrenophora graminea
<病原>糸状菌  <発病>葉、茎、穂

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オオムギ斑葉病(はんようびょう)
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罹病株(生育初期) c渡邊健

オオムギ斑葉病(はんようびょう)
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罹病株(生育後期) c渡邊健  

オオムギ斑葉病(はんようびょう)
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葉の病徴 c渡邊健

オオムギ斑葉病(はんようびょう)
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穂の出すくみ  c渡邊健

オオムギ斑葉病(はんようびょう)
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オオムギ葉先に生じた初期病斑 c築尾嘉章


被害

本病はオオムギにのみ発生する。罹病株は、春先に葉や茎に細長い淡黄色または黄白色の条斑を生じる。病斑はしだいに黄褐色~黒褐色になり、裂けることが多い。病斑上にスス状の胞子を形成する。のちに株の全茎が発病する。罹病株の草丈は低く、出穂しないものが多い。出穂しても、穂は奇形で登熟せず枯死する。

発生

本病は糸状菌の一種によって引き起こされる種子伝染病害である。生育期間中の二次感染による発病はない。胞子は出穂期ごろから形成され、風で飛散して大麦の花の内部に入り、発芽して果皮などに侵入して休眠菌糸となって越夏する。果皮内や種子に付着した病原菌は、播種後、発芽とともに茎などに侵入し次々と葉の基部を侵す。葉が展開すると菌のいる部分がすじになる。乳熟初期の子実が最も感染しやすい。乳熟初期が多雨等の高湿度条件であると感染率が高まる。また、播種期が遅く播種期の気温が低いと発病が多くなる。ニ条大麦での発生が多い。

防除

発生圃場から採種しない。罹病株は早めに抜き取り、適正に処分する。登録農薬を用いて種子消毒を行い、適期播種する。

薬剤(農薬)

種子消毒剤としてトリフミン、ベフラン、ベンレート、ホーマイなど。

(渡邊健)

※掲載している薬剤(農薬)は 2022年1月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(農林水産省 農薬登録情報提供システム)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表をクロップライフジャパンが日本語に翻訳:外部サイト)

RACコード(農薬の作用機構分類)

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 ムギの病害虫

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