防除ハンドブックシリーズは、診断と防除を目的とした実用的な内容で、技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は、ネギ類にふつうに発生する病害虫をとりあげました。病害は17種(糸状菌14種、細菌1種、ウイルス1種、ファイトプラズマ1種)、害虫は9種を掲載。本格的なネギ類の栽培を応援します。
写真:特徴をとらえた鮮明な写真で、病気の症状や害虫の生態・被害などがよくわかります。
解説:「被害」「被害作物」「発生」「防除」「薬剤」の項目を立て、病気や害虫の診断・対策が的確にできるよう、わかりやすく解説しています。
耕種的防除法のほか、最新の情報に基づいた病害虫防除薬剤を具体的な商品名で表記しました。
病害 | 害虫 |
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本ハンドブックは、ネギ類に普通に発生する病害・害虫の被害、発生、防除について解説するとともに、生態・被害に関する多くの写真を掲載し、病害虫の種類が判定できるように配慮しました。ネギ類にはネギ、ワケギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウ、ニンニク、リーキなどが含まれますが、本書では農薬登録における適用作物「ねぎ」を扱うことにします(なお、ねぎの別名、地方名、品種名には「九条ねぎ、加賀太ねぎ、千住ねぎ、やぐらねぎ、下仁田ねぎ、リーキ」などが含まれています)。
ネギ類に発生する病害虫は萎縮病、疫病、アザミウマ類など多数知られていますが、地域や栽培法、季節によって異なります。病害虫管理の基本はまず栽培現場でどんな病害虫が発生しているかを直接観察し判定することにあります。
病害虫が発生しやすい要因として栽培品種や肥培管理などの栽培条件、ほかに低温多雨、高温多湿などの気象条件が考えられます。それぞれの病害虫の発生条件をよく理解し、まず予防的な栽培管理を講ずることが求められます。
それでも病害虫の多発生が予想されるときには有用生物の保全に配慮しながら、農水省に登録された適応薬剤を適切に活用して病害虫の発生を抑制することが必要です。
実際の防除にあたっては、周辺環境に影響の少ない薬剤を選定し、使用基準を遵守して周囲にドリフトしないように、安全安心な処理を行い、収穫物の確保に努めることが必要です。本書を栽培管理の一助としてご活用していただければ幸いです。
(編者 平井一男・築尾嘉章)
2014年3月31日 発行
最終更新日 2022年9月16日
平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 |
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築尾嘉章 | 元 (独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所 |
病害:竹内妙子 | 元 千葉県農業総合研究センター |
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害虫:大井田寛 | 元 千葉県立農業大学校 現 法政大学生命科学部 |
全国農村教育協会
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