防除ハンドブックシリーズは、病害虫の診断と防除を目的とした実用的な内容で、
技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。
最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は、リンゴに普通に発生する病害虫を取りあげました。病害は28種
(糸状菌:23種、細菌:1種、ウイルス・ウイロイド:3種、不明:1種)、
害虫は23種(ハダニなど3種、カメムシ類2種、カイガラムシなど3種、
アブラムシ類2種、チョウ類10種、コウチュウ類3種)を掲載。
本格的なリンゴ栽培を応援します。
写真:特徴を捉えた鮮明な写真約163点で、病害の症状や害虫の生態・被害などがよくわかります。
解説:病害虫名に続いて、【被害】【形態】【発生】【防除】【薬剤】の項目を立て、病害や害虫の診断・対策が的確にできるよう、わかりやすく解説しています。
生態的防除法、天敵類の保護などのほかに、最新の情報に基づいた病害虫防除薬剤を具体的な商品名で表記しました。
病害 | 害虫 |
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本ハンドブックは、リンゴ栽培期間中に普通に発生する病害・害虫の被害、形態、発生、防除、薬剤について解説するとともに、生態・被害に関する多くの写真を掲載し、病害虫の種類が判定できるように配慮しました。
リンゴ など果樹は病害虫対策をしないと収穫が皆無になる作物として有名で、かつては年間16〜17回の農薬散布が必要でした。しかし近年は種々の努力により散布回数を節減させているところもあります。したがって各病害や虫害に対し有効な防除法や薬剤を効果的に使用する工夫が必要となっています。
病害虫管理の基本はまず栽培現場でどんな病害虫が発生しているかを直接観察し判定することにあります。 病害虫が発生しやすい要因として、栽培品種や肥培管理などの栽培条件、接ぎ木更新では、台木と穗木の組み合わせによって発病に影響する病害もあります。ほかに乾燥、低温多雨、高温多湿などの気象条件が考えられます。それぞれの病害虫の発生条件をよく理解し、まず予防的な栽培管理を行うことが必要です。それでも病害虫の多発生が予想されるときには有用生物の働きと保全に配慮しながら、農水省に登録された適応薬剤を適切に活用して病害虫の発生を抑制することが必要です。
実際の防除にあたっては、周辺環境に影響の少ない薬剤を選定し、使用基準を遵守して周囲にドリフトしないように、安全安心な処理を行い、収穫物の確保に努めることが必要です。本書を栽培管理の一助としてご活用していただければ幸いです。
(編者 平井一男・築尾嘉章)
初版 2012年12月28日 公開
最終更新日 2022年9月27日
平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 現 東京農業大学、法政大学 |
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築尾嘉章 | 元 (独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所 |
病害: 浅利正義 佐藤裕 |
元 秋田県鹿角地域振興局 秋田県果樹試験場 |
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害虫: 舟山健 |
秋田県果樹試験場 |
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