防除ハンドブックシリーズは、診断と防除を目的とした実用的な内容で、技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は、カンキツに普通に発生する病害虫を取りあげました。病害は50種(糸状菌31種、細菌4種、ウイルス・ウイロイド7種、生理障害4種、薬害4種)、害虫は49種(ハダニなど3種、アザミウマ類3種、カメムシ類3種、カイガラムシなど13種、コナジラミ2種、アブラムシ類3種、チョウ目13種、訪花害虫2種、ナメクジなど3種、ほか)、さらに天敵9種を掲載。本格的なカンキツ作りを応援します。
写真:特徴を捉えた鮮明な写真約390点で、病気の症状や害虫の生態・被害などがよくわかります。
解説:「被害」「発生」「防除」「薬剤」の項目を立て、病気や害虫の診断・対策が的確にできるよう、わかりやすく解説しています。
耕種的防除法のほかに、最新の情報に基づいた病害虫防除薬剤を具体的な商品名で表記しました。
本ハンドブックは、カンキツに普通に発生する病害(生理病害および薬害を含む)・害虫の被害、発生、防除について解説するとともに、生態・被害に関する多くの写真を掲載し、病害虫の種類が判定できるように配慮しました。
カンキツに発生する病害虫はかいよう病、黒点病、青かび病、ミカンハダニ、ハマキムシ、カイガラムシなど多数知られていますが、地域や栽培法、季節によって異なります。
病害虫管理の基本はまず栽培現場でどんな病害虫が発生しているかを直接観察し判定することにあります。
病害虫が発生しやすい要因として、栽培品種や肥培管理などの栽培条件、ほかに乾燥、低温多雨、高温多湿などの気象条件が考えられます。それぞれの病害虫の発生条件をよく理解し、まず予防的な栽培管理を講ずることが求められます。
それでも病害虫の多発生が予想されるときには有用生物の働きと保全に配慮しながら、農水省に登録された適応薬剤を適切に活用して病害虫の発生を抑制することが必要です。
実際の防除にあたっては、周辺環境に影響の少ない薬剤を選定し、使用基準を遵守して周囲にドリフトしないように、安全安心な処理を行い、収穫物の確保に努めることが必要です。本書を栽培管理の一助としてご活用していただければ幸いです。
(編者 平井一男・築尾嘉章)
初版 2012年10月5日 公開
最終更新日 2022年5月31日
平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 |
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築尾嘉章 | 元 (独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究 |
病害:田代暢哉 | (一社)プラントヘルスケア研究所、佐賀大学農学部 |
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害虫:増井伸一 | 静岡県農林技術研究所果樹研究センター |
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