防除ハンドブックシリーズは、診断と防除を目的とした実用的な内容で、技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は農家や家庭で営まれる花づくりで、ふつうに発生してくる病気や害虫を取り上げました。コンパクトながら充実した内容です。
病気の症状や、害虫の生態・被害などを、鮮明な写真を豊富に使って紹介しました。
被害様相、発生条件や生態など、診断を目的として解説しています。防除については耕種的方法のほか、最新の情報に基づいた防除薬剤を商品名で紹介しました。
花や花木は野菜と同じように種類や栽培地域、季節によりさまざまな病害虫が発生します。初期発生を見逃すと株絶えしたり、葉が枯れたり、開花しなかったり、開花しても異常花弁が現われるなどの被害が発生します。病害はさび病や半身萎凋病、うどんこ病、疫病、菌核病などの共通病害、そして黒星病、褐斑病や根腐病などのように葉や根などの部位別病害に写真とともに解説しました。害虫では虫の大きさ別にハダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類などのような微小昆虫、そしてチョウやガ類、コガネムシ類などの大型昆虫に分けて写真とともに解説しました。野外でよく見かける天敵昆虫についても解説しました。
花を栽培する場合、花の生育をよく観察し病害虫が発生しそうなときには早めに効果的な農薬を使い即効的に制御することが必要です。農薬を使う場合には農林水産省登録を確認し、ラベルをよく読んで使用基準を守りスポット的に散布するなど、薬害発生を起こさないようにしたり、ドリフトや河川汚染により周辺環境への影響を少なくする配慮が必要です。生態的防除法としては花の種類(品種)や栽培場所を選んだり、病害虫発生の少ない時期に栽培したり、また病害虫の発生を少なくする共栄植物(コンパニオンプランツ)・天敵生物などの相互作用や自然制御能の活用を考えることも必要です。このハンドブックは花や一部花木にどのような病害虫が発生しているかを栽培前に知るとともに、栽培中の病害虫については被害状況や生態の写真と解説から種類を知り、適切な防除法を判断していただくために作成しました。参考にしていただければ幸いです。
(編者)
初版 2011年9月1日 公開
最終更新日 2018年5月15日
平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 |
---|---|
本田要八郎 | 元 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構中央農業総合研究センター |
堀江博道 | 法政大学植物医科学センター |
築尾嘉章 | 元 (独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所 |
病害:堀江博道 | 法政大学植物医科学センター |
---|---|
病害:竹内純 | 東京都農林総合研究センター |
害虫:竹内浩二 | 東京都農林総合研究センター |
石川成寿、植松清次、牛山欽司、大野義文、小河誠司、佐藤豊三、庄司俊彦、鈴井孝仁
周藤靖雄、高野喜八郎、竹内純、外側正之、栃原比呂志、西村十郎、萩谷俊一、土生昶毅
藤永真史、平野哲司、広沢敬之、星秀男、向畠博行、吉松英明
全国農村教育協会
全国農村教育協会
東京都台東区台東1-26-6 〒110-0016
電話03-3833-1821 Fax03-3833-1665
http://www.zennokyo.co.jp