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防除ハンドブックシリーズは、診断と防除を目的とした実用的な内容で、技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は、ダイズ、アズキ、インゲンマメ、エンドウマメ、ソラマメ等の豆類に発生する主な病害虫について、36種の害虫と46種の病害を取り上げ、豊富なカラー写真を用いて、その生態と被害、防除法を紹介しています。
特徴をとらえた鮮明な写真約270点で、病気の症状や害虫の生態・被害などがよくわかります。
「被害」「被害作物」「発生」「防除」「薬剤」の項目を立て、病気や害虫の診断・対策が的確にできるよう、わかりやすく解説しています。防除については、耕種的防除のほか、最新の情報に基づいた病害虫防除薬剤を具体的な商品名で表記しました。
ダイズやインゲンマメ等の豆類を栽培すると病害虫が多発生し、無防除で栽培するとしばしば収穫皆無になることがあります。特に子実に発生するサヤムシ類、カメムシ類、サヤタマバエによる被害は甚大で、病害では紫斑病による品質劣化が大きな問題となります。また、栽培初期の病害虫では、出芽時には鳥類による豆の掘り出しと食害、低温多湿条件下では土壌害虫のタネバエの加害、さらに幼苗期にはアブラムシが伝搬する黄化萎縮病による苗の被害等があります。これら豆類の病害虫は適切に防除すれば良質の豆類を安定的に収穫できます。しかし、安全な農産物の生産や周辺環境、農業に有用な生物多様性の保全と利用等に配慮した農業や農業技術の採用が近年求められています。このため特定の管理技術に頼りすぎない栽培、施肥、防除など総合的な管理を励行し、農産物、生産者、地球環境、そして生物多様性等にマイナスの影響を少なくする配慮が必要です。豆類の病害虫管理の基本は何と言っても栽培現地にどんな種類が発生しているかを知ることにあります。このハンドブックは、豆類にどのような病害虫が発生しているかを被害状況や生態の写真と解説から知り、適切な防除法を判断していただくために作成しました。お気軽にご利用いただければ幸いです。
(編者 平井一男・築尾嘉章)
初版 2011年9月1日 公開
最終更新日 2022年5月19日
平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 |
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築尾嘉章 | 元 (独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所 |
害虫:平井一男 | 元 (独)農業環境技術研究所 現 東京農業大学、法政大学 |
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害虫:上田康郎 | 元 茨城県農業総合センター農業研究所 |
病害:仲川晃生 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門 |
病害:田中文夫 | 元 (地独)北海道立総合研究機構農業研究本部道南農業試験場 |
青田盾彦、赤井純、飯塚典男、家村浩海、上田康郎、上住泰、大畑貫一、岸國平、近藤則夫、佐藤豊三
田中寛、田中文夫、遠山明、鳥倉英徳、長井雄治、仲川晃生、西和文、平井一男、山下泉、山田直弘、湯川淳一
全国農村教育協会
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