防除ハンドブックシリーズは、診断と防除を目的とした実用的な内容で、技術者や農家など、防除の現場での使いやすさを追求したコンパクトなシリーズです。最新の防除薬剤も紹介しています。
本書は、トマト・ナス・ピーマンにふつうに発生する病害虫をとりあげました。病害は41種(トマト:22種、ナス:11種、ピーマン:9種)、害虫は43種を掲載。本格的なトマト・ナス・ピーマン作りを応援します。
特徴をとらえた鮮明な写真約290点で、病気の症状や害虫の生態・被害などがよくわかります。
「被害」「被害作物」「発生」「防除」「薬剤」の項目を立て、病気や害虫の診断・対策が的確にできるよう、わかりやすく解説しています。防除については、耕種的防除法のほか、最新の情報に基づいた病害虫防除薬剤を具体的な商品名で表記しました。
トマト・ナス・ピーマンにはさまざまな病害虫が発生し、初期発生を見逃すと株絶えすることがあります。定植直後には若苗や新芽に発生するアブラムシやコナジラミが目立ち、その後はハダニやコナダニ類、ヨトウムシ類、テントウムシダマシ、カメムシ類、ネコブセンチュウ類、病害では青枯病等を代表とする立枯症状等が発生します。収穫近くにはアザミウマのような微小昆虫が加害し果実表面にかさぶた症状を引き起こしたり、吸ガ類、タバコガ類やメイガのように果実を食害する大害虫もいます。葉にはうどんこ病や灰色かび病、モザイク病等が発生します。多発しそうな時には効果的な農薬を使い即効的に制御することが必要です。農薬を使う場合には登録農薬を選び使用基準を守りスポット的に散布するなど、環境影響を少なくする配慮も必要です。併せて病害虫の少ない栽培時期を考えたり、特に施設栽培の場合には周辺の雑草を除いたり、排気口や側窓、天窓に防虫ネットを展張するなどして病害虫を入れないことが肝腎です。また施設栽培では生物的防除法も生物農薬と化学農薬と組み合わせると効果的になることがあります。このハンドブックはトマト・ナス・ピーマンにどのような病害虫が発生しているかを被害状況や生態の写真と解説から知り、適切な防除法を判断していただくために作成しました。お気軽にご利用いただければ幸いです。
(編者 平井一男・築尾嘉章)
初版 2011年9月1日 公開
最終更新日 2022年6月8日
平井一男 | 元(独)農業環境技術研究所 |
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築尾嘉章 | 元(独)農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所 |
病害: 竹内妙子 折原紀子 |
元 千葉県農業総合研究センター 神奈川県農業技術センター |
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害虫: 高井幹夫 |
元 高知県農業技術センター |
上住泰、粕谷洋一、粕山新二、斉藤正、白川隆、山下泉、山本磐、山本勉
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