病害虫と雑草の情報を、電子ブックとデータベースで公開

特集

米の品質を下げる「斑点米カメムシ類」Part1

耕種的防除ポイント

  1. 出穂の2週間くらい前に畦畔の草刈を行なう
    水田周辺の畦畔や休耕田などの草刈を行ない、斑点米カメムシ類の生息地をなくしましょう。
  2. 出穂前後は畦畔の草刈を行なわない
    出穂後に水田周辺の草刈を行なうと、かえって水田内に斑点米カメムシ類を移動させる 原因となります。草刈の時期に注意することが大切です。
  3. 水田内の雑草を除去する
    水田内の雑草は斑点米カメムシ類の侵入の原因となります。特にノビエやイヌホタルイなどは、 穂が餌および産卵場所となるため、穂の出る前に除去してください。

化学的防除 ポイント

■薬剤散布

薬剤散布の回数は、穂揃い期とその後7〜10日後の2回防除が基本となります。 移動性の高いカスミカメムシ類などには、イネの開花期〜穂揃い期に広域の一斉防除が効果的です。

  • 1回目 穂揃い期〜乳熟期
    穂揃い期に、水田に侵入してきたカメムシを防除します。
  • 2回目 1回目の散布から7〜10日後
    その後に水田に侵入してきたカメムシと、水田内でふ化した2世代目のカメムシを防除します。
  • 3回目
    状況を見て、カメムシの発生が多いときは、2回目の散布から7〜10日後に3回目を散布します。

※最近では残効の長い粒剤タイプの殺虫剤も販売され、防除方法の選択肢が増えています。

罹病性品種で窒素が多すぎる場合、または降雨が続いた場合に現れる湿潤(急性)型病斑は、おびただしい量の分生子が作られる、伝染源としてもっとも恐ろしい病斑です。このような病斑が多く作られると、イネは萎縮して、いわゆる「ずり込みいもち」になります。

■本田防除で登録のある主な薬剤

薬剤成分名 薬剤成分が配合された主な商品名 分類 本田での主な使用方法
PAP エルサン 有機リン 散布
MEP スミチオン
エトレンプロックス トレボン 合成ピレスロイド
シラフルオフェン Mr.ジョーカー
クロチアニジン ダントツ ネオニコチノイド
ジノテフラン スタークル アルバリン
エチプロール キラップ フェニルピラゾール

※使用に当っては製品ラベルをよく読み、登録内容・使用方法を確認のうえお使いください。

監修:東京農業大学 客員教授 平井 一男 特集:米の品質を下げる「斑点米カメムシ類」Part1へ戻る