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最新情報 植物病害

モモ果実赤点病

かじつせきてんびょう

Fruit red spot

2016-10-20 最終更新

病徴:
果実と枝に発生する.果実では病斑は幼果のうちはほとんど認識できないが,収穫間近になって果皮に赤色の小斑点が現れる.果実病斑は果皮にとどまり果肉には達せず,腐敗は引き起こさない.カイガラムシ類の被害に類似しているが,吸汁痕がないので区別できる.果実病斑は果梗部付近に多い.若い枝では褐変した小病斑が形成される.果梗痕や落葉痕等の枯死組織上あるいは枝の病斑上に,直立した暗褐色の分生子柄が多数形成される.

病原菌:
Ellisembia sp.
不完全菌類.分生子柄は暗褐色,真直~やや屈曲,隔壁を有し,頂部に出芽型分生子を単生,長さは32~114.1μmである.分生子は褐色,結節部のある倒棍棒状で孤生,3~4個の偽隔壁を有し,不明瞭ながら先端部に付属物が存在するものもある.分生子の大きさは22.5~43.7×4.5~8.4μm.菌叢は暗緑色~黒色で,10~35℃で生育し,生育適温は25~30℃である.

伝染:
伝染源は,枝上の病斑や枯死組織上で形成される分生子と考えられる.分生子の形成は初夏~秋にかけて降雨によって促進され,飛散は分生子形成後速やかに行われると考えられる.日照条件や通風の悪い場所に発生が多く,同一園内でも若木に比べて老木に発生が多い傾向がみられる.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006965702

(2016.9.15 森本涼子)

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モモ果実赤点病.収穫間近の果実の病斑(森本涼子)