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難防除雑草

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

オオブタクサ(別名クワモドキ)

Ambrosia trifida
キク科

 北アメリカ原産で、現在は世界の温帯に広く分布している。日本では1950年代前半に関東地方で発生が確認された後、急速に広がり、現在では北海道から沖縄県まで全国に分布している。空き地、鉄道沿い、河川敷などに大きな群落を作っているのを良くみかけるが、近年は飼料畑などの農耕地にも侵入繁茂する事例がみられるようになってきた。風媒花で大量の花粉を飛ばし、秋の花粉症の原因植物ともなっている。

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オオブタクサ(別名クワモドキ)
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人の背丈を超えて繁茂するオオブタクサ ©全農教

オオブタクサ(別名クワモドキ)
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オオブタクサの種子(正確には果実) ©全農教

オオブタクサ(別名クワモドキ)
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他の夏草に先駆けて発生するオオブタクサの芽ばえ ©全農教

オオブタクサ(別名クワモドキ)
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茎は直立し、急速に成長する ©全農教

オオブタクサ(別名クワモドキ)
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大量の花粉をまき散らすオオブタクサの雄花 ©全農教


生態

 種子で繁殖する一年生雑草であり、春先に他の夏草に先駆けて発生し、非常に速い成長速度で他の植物を圧倒する。3~5裂の長さ20~30cmの大きな葉が特徴的で、その草高はしばしば3mを超え、時には5m以上に達する場合もある。短日性で、夏から秋にかけて茎の先端に緑色の長い雄花をつけ、葉腋に目立たない雌花をつける。種子は長さ5mm前後と雑草の中では大きめで、成熟した後に地上に落下する。地表で越冬した種子は厳しい寒さや虫による食害などの影響で大部分が死滅するが、耕起作業などで埋土された種子は生存率が高まることが知られている。種子の寿命は比較的短く、土中種子でも4年程度と考えられている。地表にある種子はほとんど発芽しないが、土中の種子については10cmを超える深さからも出芽がみられる。

防除

 オオブタクサは地際で茎を切除しても旺盛な再生がみられることから、刈り取りによる枯殺効果は期待できないが、例えば早生品種のトウモロコシを植付けるなど、種子が成熟する前に収穫する作型を取り入れることで、圃場への種子の落下を防ぎ、翌年以降の発生量を減らせる可能性がある。発生本数が少ない場合は根から抜き取る方法もあるが、生育が進んだオオブタクサは根が張って引き抜きが難しくなるため、生育初期段階で抜き取ることが肝要である。農耕地で大量に種子を落としてしまった場合には、秋耕せずに種子を地上で越冬させて死滅を促し、さらに春耕後に生え揃ったオオブタクサを非選択性の茎葉処理用除草剤で枯殺した後に夏作物を植付けることが望ましい。

薬剤(農薬)

【農耕地】
 ラウンドアップマックスロードやタッチダウンiQなどのグリホサート剤は、生育期のオオブタクサに対して卓効を示すため、作物植付け前の処理に有用であるが、生育が進んだものに対しては高めの薬量を使用する。飼料用トウモロコシ畑では、トウモロコシの3~7葉期に全面散布できるアルファードがオオブタクサに卓効を示すことが確認されている。
【農耕地以外】
 雑草の根まで枯らす力を持つラウンドアップマックスロードやタッチダウンiQなどのグリホサート剤は、空き地などのオオブタクサを枯らすのにも有効であるが、薬液がかかった他の植物も全て枯らし裸地化してしまうおそれがあるため、崩れやすい斜面での全面散布は控えたい。緑地管理場面で抑草剤として使用されるショートキープやモニュメントは、枯殺せずに長期間オオブタクサの成長を抑制することから、鉄道法面や道路法面などでの利用が考えられる。 (村岡哲郎)※掲載している薬剤(農薬)は 2016年10月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 難防除雑草

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