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リンゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

高接病(たかつぎびょう)

Apple chlorotic leaf spot virus (ACLSV)
Apple stem grooving virus (ASGV)
Apple stem pitting virus (ASPV)
《病原》ウイルス 《発病》台木部

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高接病(たかつぎびょう)
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皮層部のえそ斑点 ©浅利正義

高接病(たかつぎびょう)
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木質部のピッティング ©浅利正義

高接病(たかつぎびょう)
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罹病部(左:健全、中央:発病樹)の状況 ©浅利正義

高接病(たかつぎびょう)
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枯死した罹病樹 ©全農教


被害

接ぎ木樹で発病する。台木の病害で一般栽培品種には症状は現れないが、接ぎ木台が発病するため、穂木のリンゴ樹も枯死する。高接ぎ更新をした数年後に発病するためこの名がある。 葉の小型化、黄化や早期紅葉、果実の小玉化や結実不良、新梢の伸長不良など、樹体が衰弱する。この症状は紫紋羽病などの土壌病害のそれと類似するが、本病では台木部の皮層部にごま状の壊疽が、木質部には壊疽とピッティング(縦縞状の凹凸)がみられる。本病は主にマルバカイドウ台樹で問題となる。

発生

病原ウイルスとして3種類が知られており、いずれも接ぎ木伝染する。また、穂品種は潜在感染し発病しないが、接ぎ木時の台木と病原ウイルスとの組み合わせにより顕在化する。台木の罹病性の有無は病原ウイルスによって異なる。マルバカイドウはACLSVに感受性(発病する)だが、ASPVとASGVに抵抗性(発病しないが、潜在感染する)である。ミツバカイドウ(ズミ)は3種ウイルス全部に感受性である。一般にM.9やM.26等わい性台木は3種ウイルス全部に抵抗性のものが多いが、JM1とJM5はACLSVにのみ感受性である。コバノズミ等の実生繁殖性のものは遺伝的に多様なため、罹病性のものと抵抗性のものが混在するなど、高接病発病の危険性のある組み合わせがあるので注意を要する。

防除

接ぎ木伝染することから、高接ぎする場合は健全な樹から穂木を採取する。発病初期に実生や抵抗性台木を寄せ接ぎし、樹勢回復を図る。

薬剤(農薬)

本病に有効な薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 リンゴの病害虫

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