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リンゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

疫病

Phytophthora cactorum (果実疫)
Phytophthora cambivora (台木疫)
Phytophthora syringae (果実疫)
《病原》糸状菌 《発病》果実、台木

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幼果の発病 ©中沢憲夫

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未成熟果の発病 ©全農教

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台木の発病 ©柳瀬春夫


被害

果実や台木に発生する。果実と台木では病原菌が異なる。果実では主に幼果と晩生種の成熟果で発病し、いずれも褐色~淡褐色の病斑を形成するが、果肉部は弾力性を帯びて腐敗する。台木では地際部や根幹部が褐変腐敗し、黄変落葉など樹勢の衰弱症状が現れ、腐敗が幹回りを一周すると枯死する。台木の疫病をクラウンロットまたはカラーロットともいう。

発生

果実の発病には2種の疫病菌が関与し、幼果と晩生種の成熟果に感染する疫病菌は異なる。前者はPh. cactorumにより主に6~10月に、後者はPh. syringaeにより10~11月に果実に感染する。前者では梅雨期の多雨で下枝を中心に多発することがあるが、伝染には降雨時の草刈り機による泥はねの影響も大きい。後者は主に収穫かごやコンテナへの泥の付着、収穫作業時の手による泥の付着などで感染し、収穫後の貯蔵庫内や出荷後に発病する。台木では水田転換畑や排水不良園で発生しやすい。台木品種によって罹病性に差があり、半わい性台のMM.106などは罹病性であるが、マルバカイドウは抵抗性である。疫病はいずれも多湿条件の土壌中で形成される卵胞子や遊走子のうから放出された遊走子が水媒伝染する。

形態

降雨時に草刈り機による除草作業を行わない。収穫かごやコンテナは泥が付着しないようにビニールシート等の上に置き、また園地に放置しない。脚立の移動時に手に泥が付着することがあるので注意する。暗渠、明渠等により園地の排水を改善する。

薬剤(農薬)

本病に有効な薬剤はない。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 リンゴの病害虫

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