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カンキツの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

温州萎縮病

Satsuma dwarf virus(SDV)
《病原》ウイルス  《発病》新梢・樹全体

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温州萎縮病
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春葉の船型葉

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船型葉とさじ型葉の混在

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葉が小型化した温州みかんの発病樹(左は健全樹)

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検定キットへの汁液の滴下

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SDVクロマト判定の様子(上から滴下前、陰性反応、陽性反応の順)


被害

温州では展葉初期の葉が舟型になる。その後、気温が上昇するにつれて展開する葉はさじ型になる。このため、新梢基部は舟型葉に、先端部はさじ型葉になる。新梢の発生が密になり節間がつまって叢生する。25℃以上の高温時に伸長する夏秋梢に症状は現れない。樹勢が衰弱し、収量が減少する。中晩柑類は病徴を示さないが、果実の小玉化と収量低下を生じる。防風樹のサンゴジュにも感染する。

発生

病原ウイルスを保毒した穂木の高接ぎや、保毒苗木の植付けで発病する。土壌伝染するので発病樹を伐採したあとに健全苗木を植付けても発病する。剪定バサミやノコ、接木ナイフで伝染することはなく、アブラムシ等で虫媒伝染しない。

防除

高接ぎ用の穂木は無毒樹から採取する。無毒苗木を植付ける。保毒が疑われるときは検定を行い、保毒の有無を確認する。ELISA検定では春葉伸長時期のサンプルを用いる。遺伝子診断では一年を通して診断できる。検定は最寄の関係機関に依頼する。現場で簡単に診断できる検定キット(温州萎縮ウイルス検定免疫クロマトグラフィーSDVクロマト)が販売されている。発病樹は伐採・抜根する。発病跡地には再度カンキツを植付けず、落葉果樹類に転換するほうが無難。どうしても植えるときは汚染土を健全土に入れ替えるか、抜根後に残った根をていねいに拾い集め、土壌消毒する。保毒サンゴジュは抜根して焼却する。

薬剤(農薬)

発病跡地土壌対策としてクロルピクリンを苗木植付前に処理する。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 カンキツの病害虫

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