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イチゴの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

疫病

Phytophthora nicotianae, Phytophthora cactorum, Phytophthora sp.
《病原》糸状菌 《発病》葉、根

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葉が急激に垂れ、萎凋する ©小玉孝司

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本圃定植後に発生した急性萎凋症状 ©小玉孝司

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育苗圃で発生した萎凋枯死症状 ©小玉孝司

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根とクラウンが褐変する ©小玉孝司

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根の褐変症状 ©古田明子

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クラウンを切ると皮層から中心に向かって褐変している ©古田明子


被害

病原菌は3種類記録されるが、産地で問題となるのは前2種である。P. nicotianaeによる疫病は、クラウンとクラウン近くの根の基部が褐変し、葉柄基部に進展する。地上部は萎凋し、立枯れ症状となる。クラウンを切断すると、その横断面は皮層から中心部に向かって褐変が進み、炭疽病の症状と酷似する。葉でははじめ黒褐色、紡錘形ないし楕円形のやや陥没した病斑を形成し、高湿時には拡大して暗褐色、不整形の病斑になる。 P. cactorumによる疫病は、はじめ若葉が青みがかった緑色に変わり、株全体が急激に萎凋して枯死する。クラウンを切断すると皮層から中心部に向かって褐変し、根や葉柄基部も褐変する。

発生

両菌による疫病は症状は類似するが、発生時期が異なる。すなわちP. nicotianaeによる疫病は、7~9月の高温期に発生し、P. cactorumによる疫病は、低温期に発生する。いずれも土壌伝染と水媒伝染し、多湿条件で発生しやすい。発病株に形成された遊走子のうが降雨や灌水で遊走子を放出して伝染する。排水不良の低湿地や雨の多い年に発病が多くなる。前者はナス、トマトの栽培圃場からの水媒伝染もある。

防除

親株は疫病菌の汚染がない無病苗を使用し、育苗用土は無病土または殺菌土を使用する。高畝にして排水を良好にする。雨よけ育苗は発病を抑制できる。灌水は土壌粒子が飛び散らないように行う。7~8月にハウス密閉による太陽熱土壌消毒を行う。被害株は伝染源となるので見つけ次第除去する。品種間の発病差異が見られ、さがほのかは弱い。

薬剤(農薬)

生育中:リドミル、ランマン、レーバスなど、土壌消毒:バスアミド、ディ・トラペックスなど。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 イチゴの病害虫

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