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防除ハンドブック、キュウリ、スイカ、メロンの病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ミナミキイロアザミウマ

Thrips palmi
アザミウマ(総翅)目アザミウマ科

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ミナミキイロアザミウマ
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雌成虫(左)と雄成虫(右)

ミナミキイロアザミウマ
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被害葉(キュウリ)

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被害葉(スイカ)

ミナミキイロアザミウマ
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果実の被害(スイカ)

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幼果の被害(キュウリ)

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果実の被害(キュウリ) 

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果実の被害(アールスメロン)

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幼苗期の被害(アールスメロン)

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多発圃場(アールスメロン)


被害

成・幼虫が主に葉を食害するが、密度が高くなると果実、茎、果梗なども加害する。低密度時には葉脈に沿って小さな白斑が生じる程度であるが、密度が高くなるになるにつれて白斑部が拡大し、ひどい場合には褐変、枯死する。また、高密度になると生長点部や果梗、茎まで加害するため、芯止まりや茎、果梗の褐変といった被害症状が見られ始める。幼苗期には、低密度でも奇形葉が生じたり、芯止まりになりやすく、生育が著しく抑制される。果実の被害は、作物によって異なる。キュウリの場合は、果実表面に灰白色のケロイド状の傷がついたり、イボが消失する。また、幼果期に加害されると、曲がり果などの原因になる。メロンの場合は、比較的果実での被害は発生しにくいが、密度が高くなるとネットの出現に悪影響が出る。また、メロンは果実に茎と果梗をT字状につけて出荷するため、茎や果梗の褐変も品質低下につながる。スイカの場合も果実での被害は比較的出にくいが、高密度になると葉と果実が接した部分や果尻が加害されて褐変する。また、ネットで果実を吊り下げる栽培では、ネットと果実が接した部分が加害されやすく、そこが褐変する。なお、本種は黄化えそウイルスの重要な媒介虫である。

被害作物

ウリ科作物の他、ナス科(トマトを除く)、マメ科など広範囲に及ぶ。

発生

休眠しないため、南西諸島などの温暖な地域以外では、ビニールハウスなどの施設が重要な越冬場所になっている。特に東海地域以西の施設栽培地帯で発生が多く、これらの地帯では春先になると施設内で繁殖した個体が野外に分散するため、露地での発生も多くなる。一般的に春から秋にかけては露地で繁殖し、秋期に施設に侵入して翌春まで施設内で繁殖するというサイクルを繰り返している。施設での発生は、主に苗による持ち込みと側窓換気時の野外からの飛び込みから始まる。産卵は主に葉脈などの組織内に行う。両性、単為生殖いずれも行うが、単為生殖由来の成虫はいずれも雄である。雌成虫は生長点部に好んで産卵する。幼虫は生長点部より下の展開葉に多いが、密度が高くなるといずれの部位でも成・幼虫が入り乱れる。2齢幼虫後半になると地面に降りて地表面近くの土中で蛹化する。卵から羽化までの期間は25℃恒温条件下で約14日と短く、いったん発生すると短期間内に高密度になる。施設栽培キュウリは冬季の管理温度が低いため、低温期には比較的増殖が鈍い。しかし、スイカ、メロンは管理温度が高いため、冬期といえども繁殖は激しい。白色や青色によく誘引されるので、これらの色の粘着板をを施設内に吊すことによって、発生状況を把握することができる。

防除

発生源となる圃場内外の雑草を除去する。露地栽培では、シルバーポリフィルムによる畝マルチをすることで、栽培初期の発生を抑制できる。さらに定植時粒剤を組み合わせればより効果が高い。施設栽培では、防虫ネットによる換気窓の被覆、シルバーポリフィルムによる畝被覆、UVカットフィルムの展張が成虫の侵入防止に有効である。これらの物理的防除法と定植時の粒剤処理を組み合わせるとさらに防除効果は高くなる。また、連作圃場では収穫終了後の蒸し込み、残渣処理の徹底を図る。黄化えそ病発生地帯では、このような防除対策は欠かせない。発生が多くなり始めたら、薬剤による防除が必要になるが、薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一あるいは同一タイプの薬剤の連用は避ける。

薬剤(農薬)

アグリメック、アドマイヤー、アクタラ、アファーム、アルバリン・スタークル、カスケード、コテツ、スピノエース、ダントツ、ハチハチ、バリアード、モベント、モスピラン等。作物によって登録内容が異なるので、使用に当たっては十分注意する。また、天敵やミツバチ、マルハナバチに対して影響の大きい薬剤が含まれるので、天敵やミツバチ、マルハナバチを導入する施設では、薬剤選択に当たっては十分注意する。※掲載している薬剤(農薬)は 2018年1月末現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 キュウリ・スイカ・メロンの病害虫

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