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ハンドブック ムギ類の病害虫

診断のための特徴的な写真を掲載し、被害、発生、防除、薬剤(農薬)について簡潔に解説しています。

ヤギシロトビムシ(シロトビムシ類)

Onychiurus pseudarmatus、(Onychiurus sp.)
トビムシ目シロトビムシ科 《加害》根、幼芽

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ヤギシロトビムシ(シロトビムシ類)
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ヤギシロトビムシ成虫の体長は2~3mm内外。成虫と幼虫は乳白色。同様の形態で変態をしない(無変態) ©江村薫

ヤギシロトビムシ(シロトビムシ類)
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加害中のヤギシロトビムシ ©筒井喜代治

ヤギシロトビムシ(シロトビムシ類)
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ヤギシロトビムシ被害圃場。発芽不良で欠株となる ©江村薫


被害

播種直後、土壌中で発根や発芽した幼植物体を食害する。コムギの被害が多く、欠株を生じる。オオムギでは根量が多く、さらに発根した後に発芽が生じるため、トビムシが根を食害している間に重要な幼芽が成長し被害が回避される。一方、コムギは根量が少なく発芽と発根が同時なため、発芽直後の幼芽を食害されやすい特徴がある。遅まきの圃場では被害が多い。その理由は、発芽速度が遅いために幼芽の土中滞在期間が長く、食害にあう期間が長いことによる。

被害作物

発芽間もないホウレンソウ、アブラナ科野菜、ユリ、イネ、ダイズなど、多様な作物を加害する。

発生

シロトビムシ類は日本全土に分布し、ヤギシロトビムシは本州~九州で確認されている。関東以西での被害が多い。夏季は幼虫の状態で地表下15~40cmの比較的深い土中で休眠している。関東では10月中旬ころから地表に現れ、腐植質を摂食して成育する。産卵期間は1~4月、幼虫は5月下旬〜6月に土中の隙間を伝わって土中に移動し休眠する。

防除

常発する圃場では早まきを行い、遅まきを避ける。上述したように、遅まきは幼芽の土中滞在期間が長く被害に遭遇しやすい。芽出しまきにより、発芽期間を短縮する。餌であるダイズ粕、ふすま、米糠を播種時にまき溝に施肥を兼ねて処理すると、餌に誘引されて幼芽が加害されにくい。

薬剤(農薬)

種子粉衣剤、塗沫処理剤が登録。福岡県農林業試験場の清水研究員の報告によると、播種前のコムギ種子にキヒゲンR2(乾燥種子重量の2%)を種子塗抹した後に、アドマイヤーあるいはバッサの種子粉衣を行うと、出芽率が向上し防除効果が上がる。(江村薫)※掲載している薬剤(農薬)は 2017年4月現在登録のあるものから抜粋しています。
農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、地域の防除暦や病害虫防除所等の指導に従ってください。


■農薬の登録情報について
最新の登録情報はこちらのページをご確認ください。(FAMIC:外部サイト)

■農薬の作用機構分類(国内農薬・概要)について
薬剤抵抗性の発達を回避するため、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を心がけてください。

農薬の系統別分類はこちら
(国際団体CropLife International (CLI) の対策委員会が取りまとめた殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分類表を農薬工業会が日本語に翻訳:外部サイト)

・殺虫剤(IRAC、2016年4月版 ver.8.1) *PDFデータ

・殺菌剤(FRAC、2017年4月版) *PDFデータ

・除草剤(HRAC、 2016年9月版 *Excelデータ

※実際の薬剤抵抗性対策については、お近くの病害虫防除所等関係機関などの指導に従ってください。

収録:防除ハンドブック「 」

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